リウマチ⑤
「リウマチのマッサージ」や「リウマチのリハビリ」は、脳卒中等の他の病気とはリハビリやマッサージの組み立て方が異なります。
なぜなら、リウマチは発症してすぐに障害が出てくることはあまりありません。
そのため、「リハビリやマッサージは障害が出てから始めるもの」という先入観があると、寝たきりになるまで施術が始められないのです。
また、リウマチは障害が強くなると、リハビリではなかなか改善しません。
なるべく、早期からリハビリ、マッサージを開始し、障害の進行を予防することが大切なのです。
これを理解してもらうのになかなか苦労します。
また、リウマチの炎症の状態も良い時と悪い時があり、どのような時にどのようなリハビリ、マッサージをすればよいかを明確に示すことは容易ではありません。
つまり、組み立てが難しいのです。しかし、「リウマチ白書」によると多くのリウマチ患者さんが家庭でできるリハビリやマッサージの指導を望んでいることがわかります。
私たち在宅・訪問リハビリマッサージスタッフは、たとえ難しくても患者さんのニーズに応えなければなりません。
まずは、「リウマチの在宅リハビリの実際」について理解していきましょう。

「ペットボトルのふたを右手で開けて、左手で閉める」
みなさんは、これが何のことかわかりますか?
これがわかる人は、リウマチの在宅リハビリのエキスパートです。おそらく、ほとんどの人が「?」と思っているでしょう。このペットボトルの動作は、リウマチ特有の手の変形である尺側偏移(指と手関節が小指側に偏る)を日常生活で予防できる具体的な方法なのです。
日常生活で関節痛のあるリウマチ患者さんに対して、いきなり筋トレを強要しても、「人の痛みも知らないくせに」といって無視されるだけです。
リウマチの在宅リハビリの導入のコツは、このように「すぐできて」「楽な」日常生活動作を教えてあげることです。
このようなコツをいくつか提示することにより、「こいつはなかなかできるな」
とリウマチ患者さんから思われれば、しめたものです。
賢いリウマチ患者さんは、しだいに心を開いてくれるようになってきます。
「まずは、キッカケを作ること」
これがリウマチの患者さんの在宅・訪問リハビリマッサージの第一歩ということを心に留めております。
