肩こり⑤
肩こりは、肩、首周辺の筋肉や骨を丈夫にし、血流をよくすることでよくなります。
生活習慣や運動などに加えて、毎日の食事に気を配ることによってさらに改善されやすくなります。 食事に関して最も注目したい栄養素はビタミンEです。ビタミンEには毛細血管を拡張させて血流の流れを促す働きがあり、肩こりや冷え症を改善する薬にも使われているほど有効な栄養素です。 ビタミンEは、血管を収縮させる神経伝達物質ができるのを抑制して、全身に張り巡らされている毛細血管を拡張させる働きをもっています。 血管が開けば血液が流れやすくなるため、ビタミンEは血流を促すといわれています。
ビタミンEは、植物油、種実、魚介、野菜など、幅広い食品に含まれています。 脂溶性のビタミンで、油を使った料理にすると吸収率が高まります。 オリーブ油などはそれ自体もビタミンEを多く含むため、上手に利用すると効率よく摂取できます。 ビタミンEはとりすぎても害がでることはあまりありませんが、サプリメントなどでの摂取には注意が必要です。 肩こりの人はビタミンEを含む食品を毎日しっかりとるようにしたいものです。
また、主に青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も血流をよくする成分として知られています。不飽和脂肪酸の一種で、血液中の 脂質のバランスを良好にする成分として知られています。 具体的には、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やします。 そうすることによって血液が滞りなく流れるようになるため、血流の改善効果があるといわれているのです。これらの成分はいわしやさんま、ぶり、あじ、さばといった青魚に豊富に含まれています。酸化しやすいので新鮮なものを選びましょう。

次に大切なのはたんぱく質です。筋肉の健康が保たれないと肩こりはなかなか改善しません。
たんぱく質は、体内で分解と合成を繰り返し、常に古い組織を新しいものへとつくり替えています。 この筋肉の材料になる栄養素がたんぱく質で、毎日一定量を摂取する必要があります。熱は筋肉で生み出されるので、筋肉量が少ないと冷えを招き、肩こりが起こりやすくなります。
また、たんぱく質には免疫力を高める働きがあり、免疫力が高まればストレスへの抵抗力も増します。 たんぱく質は、肉や魚介、卵などの動物性の食品に多く含まれます。 「大豆は畑の肉」といわれるように、大豆製品にはたんぱく質が豊富です。 また、たんぱく質はそばや玄米ご飯などの穀類にも含まれます。
無理なダイエットや朝ごはん抜きなどの習慣を続けていると、たんぱく質は不足しがちになります。 食事の内容だけでなく食習慣もチェックして、たんぱく質が不足しないようにしましょう。
筋肉の働きを正常にしたり疲労を取り除いたりするには、ビタミンEやたんぱく質のほか、多くのミネラルやビタミンの働きが必要です。 たとえばカルシウムには筋肉や神経の働きを助ける働きがあり、カリウムとマグネシウムは筋肉の収縮と弛緩にかかわっており、ビタミンB群は筋肉にたまった老廃物の除去に役立ちます。このような栄養素をとるには、いろいろな食品をほどよく組み合わせて食べることが重要です。
